「仕事中、なぜか眠い」を解決!血糖値スパイクを防ぐ食事の選び方
仕事中の眠気や集中力低下、その原因は「血糖値スパイク」かもしれません
仕事に集中したいのに、食後に強い眠気を感じたり、午後の会議でうとうとしてしまったりすることはありませんか。重要な業務中に集中力が途切れることは、仕事のパフォーマンスに大きく影響します。その原因の一つとして、「血糖値スパイク」が考えられます。
血糖値スパイクとは、食後に血糖値が急激に上昇し、その後急降下する現象のことです。特に、丼ものやパスタ、甘い菓子パンなど、糖質を多く含む食事を急いで摂った際に起こりやすいとされています。血糖値が急降下する際に、眠気やだるさ、集中力の低下といった症状が現れることがあります。
日々の食事に少し気を配ることで、この血糖値スパイクを抑え、仕事中の体調や集中力を安定させることが期待できます。ここでは、忙しいビジネスパーソンでも手軽に実践できる、血糖値スパイクを防ぐ食事の選び方について解説します。
血糖値スパイクが仕事のパフォーマンスを下げるメカニズム
食事から摂った糖質は体内でブドウ糖に分解され、血液によって全身に運ばれてエネルギーとして利用されます。このブドウ糖の量が「血糖値」です。
糖質を一度にたくさん、特に吸収されやすい形で摂取すると、血糖値は急激に上昇します。すると体は血糖値を下げようと、「インスリン」というホルモンを大量に分泌します。インスリンの働きによって血糖値は急速に低下しますが、この急激な変動が体に負担をかけ、眠気や倦怠感を引き起こすとされています。ジェットコースターのような血糖値の乱高下が、体調のムラや集中力の低下につながるのです。
この血糖値スパイクを防ぐためには、食後の血糖値の上昇を緩やかにすることが重要になります。
血糖値スパイクを防ぐ食事の基本原則
血糖値の急激な上昇を抑えるためには、以下の点を意識することが効果的です。
- 食べる順番を意識する: 食事の最初に食物繊維を多く含む野菜やきのこ類、海藻類を食べることで、糖質の吸収を緩やかにする効果が期待できます。次に肉や魚、卵などのタンパク質、そして最後に炭水化物(ご飯やパンなど)を食べるのがおすすめです。
- 複合糖質を選ぶ: 白米や白いパン、うどんなど、精製された糖質は吸収が早く血糖値を急上昇させやすい傾向があります。これに対し、玄米や全粒粉パン、そばなど、精製度の低い複合糖質は、食物繊維も豊富で血糖値の上昇を緩やかにすると言われています。
- 食物繊維を積極的に摂る: 食物繊維は糖質の吸収を遅らせる働きがあります。野菜、きのこ、海藻、こんにゃく、豆類などに多く含まれます。
- ゆっくりよく噛んで食べる: 早食いは血糖値を急上昇させる一因となります。一口ずつよく噛んで、時間をかけて食事をすることで、満腹感も得やすくなり、血糖値の上昇も緩やかになります。
コンビニや外食で実践できる!血糖値スパイクを防ぐ食事の選び方
忙しい日のランチや夕食で、コンビニや外食を利用する機会は多いと思います。そんな時でも、少しの工夫で血糖値スパイクを防ぐことが可能です。
外食での選び方
- 定食形式を選ぶ: 主食(ご飯など)、主菜(肉や魚)、副菜(小鉢、サラダ)、汁物が揃った定食は、栄養バランスが整いやすく、食べる順番も実践しやすいためおすすめです。
- 野菜や汁物から食べる: 提供されたら、まずサラダや小鉢、味噌汁やスープから食べ始めましょう。
- 炭水化物の種類を選ぶ: もし選択肢があれば、白米より玄米や雑穀米、白いパンより全粒粉パンやライ麦パンを選ぶことを検討してみてください。麺類なら、うどんよりそばの方が食物繊維が多い場合があります。
- 単品メニューに注意: 丼もの、パスタ、カレーなどの単品メニューは糖質に偏りがちです。これらを選ぶ際は、サラダや副菜をプラスして栄養バランスを整えるようにしましょう。
コンビニでの選び方
- 「主食・主菜・副菜」を揃える意識で:
- おにぎり一つで済ませるのではなく、サラダチキンやお惣菜、サラダ、味噌汁などを組み合わせることで、バランスが良くなります。
- サンドイッチなら、野菜や具材がたっぷり入ったものを選び、ヨーグルトやサラダをプラスするのも良いでしょう。
- 食物繊維が豊富な商品を選ぶ: パッケージの栄養成分表示を見て、食物繊維量が多いものを選ぶのも参考になります。全粒粉入りのパンや、きのこ・海藻を使ったお惣菜などが該当します。
- おにぎりやパンの種類: 白米おにぎりより玄米や雑穀米入り、白いパンよりブランパンや全粒粉入りのものがおすすめです。
- 飲み物に注意: ジュースや加糖コーヒー、清涼飲料水は糖分が多く血糖値を急上昇させやすいため、水やお茶、無糖コーヒーなどを選びましょう。
忙しい合間の間食や飲み物で血糖値コントロール
午前中や午後のブレイクタイムに、小腹が空いたり集中力が切れたりすることがあります。ここで何を口にするかで、その後の血糖値や体調が変わってきます。
- おすすめの間食:
- 無糖ヨーグルト
- ナッツ類(無塩のもの)
- チーズ
- ゆで卵
- あたりめ
- 果物(血糖値の上昇が比較的緩やかなベリー類など) これらはタンパク質や脂質、食物繊維を含むため、血糖値の急上昇を抑えやすいとされています。甘いお菓子や菓子パンは避けましょう。
- 飲み物の選び方:
- 水、無糖のお茶(緑茶、麦茶、ウーロン茶など)、無糖コーヒーが基本です。
- 甘いジュースや炭酸飲料、ミルクたっぷりの加糖コーヒーなどは血糖値を急激に上げるため、日常的な摂取は控えるのが賢明です。
まとめ:少しの意識が仕事の集中力を維持する鍵に
仕事中の眠気や集中力の低下は、日々の食事における血糖値の急激な変動(血糖値スパイク)が原因の一つである可能性があります。食べる順番を意識したり、食物繊維を多く含む食品を選んだり、ゆっくりよく噛んで食べたりといった少しの工夫で、血糖値の上昇を緩やかにすることができます。
特にコンビニや外食が多い環境でも、定食形式を選ぶ、野菜や汁物から食べる、食物繊維が豊富な食品を選ぶ、間食の内容に気を配るなど、実践できることはたくさんあります。
これらの食事の工夫は、血糖値スパイクを防ぐだけでなく、栄養バランスを整え、仕事のパフォーマンス向上に繋がる可能性があります。ぜひ、無理のない範囲で日々の食事に取り入れてみてください。体調が安定し、より高い集中力で仕事に取り組めるようになることが期待できます。